2024 AUTOBACS SUPER GT Rd4 Fuji

Yuki Nemoto
AUTOBACS SUPER GT
Rd4 Fuji Race Report

■Introduction

 8/2(金)~8/4(日)に根本が今年参戦するAUTOBACS SUPER GTの第4戦となるFUJI GT 350km RACEが、晴天に恵まれた富士スピードウェイにて開催された。

 今大会からサクセスウェイトの上限が100kgから50kgに減量され、これまで重量のために苦戦を強いられていたランキング上位勢の復調が予想された富士大会。真夏の富士での開催ということもあり、路面温度は50度を超えるなど猛暑の中で開催された。またスーパーGT初の350kmレースということもあり、各チームどのような戦略を見せてくるのか?注目の集まる一戦となった。レギュラードライバーの小高一斗/中村仁に加え、根本は第3ドライバー兼リザーブドライバーとして本レースを戦う。

■Qualify:12th

 現地時間3日14時25分、通常の方式とは異なるイレギュラーな形での予選が実施された。今シーズンのスーパーGTでは本来Q1及びQ2の合算タイムにより決勝グリッドが決定される方式が採用されているが、この予選の直前に発生した最終コーナーでの路面補修の影響を考慮し、タイム合算方式ではなく、WET方式と呼ばれるいわゆる昨年通りの予選方式での実施が決定されたのだ。31号車 apr LC500h GTはQ1B組となり、ここで上位8位以内に入ることで、ポールポジションを決めるQ2グループ1へと進出することができる。

 31号車 apr LC500h GTは前戦での5位獲得によるサクセスウェイトや、速度抑制案によるウェイトを課せられており、全車両の中でも最大重量に近い状態で戦う。当然これはコーナリングやブレーキングのパフォーマンスに直結するわけだが、特にタイヤのコンパウンドとの相性に苦戦を強いられることとなる。これまではQ1突破すら難しい状況であったが、今大会で持ち込んだブリヂストンタイヤが良い性能を発揮し、またQ1のアタックを担当した小高選手も素晴らしい走りを見せ7位となり、Q2グループ1への進出を決めた。

 小高からクルマを受け取った中村は、Q1から引き継いだ中古タイヤにも関わらず、サーキットのコンディションの向上を上手く捉え、小高のタイムを上回る1分38秒754を記録。総合12番手で決勝レースを迎えることとなった。同じブリヂストンタイヤを使う65号車がポールポジションを獲得したが、実は31号車はこの時点で決勝でのタイヤ無交換作戦を敢行する予定であり、65号車よりもハードなタイヤを選択していたため、この結果は想定内。ソフトタイヤ勢が各スティントの後半でどの程度タイムダウンをするのか、この猛暑の中、350kmレースでどのくらいタイヤライフが保つのか? 各車未知数の中でレースを迎えることとなった。

■Race:12th

 31号車は前述の通りブリヂストンタイヤのロングライフ性能を活かし、給油1回のみ、タイヤは無交換という攻めの戦略を採用。今シーズンは予選から決勝のスタートまで同じタイヤを使わなければならないため、いかにタイヤの摩耗を管理し長持ちさせるかが重要となる。スタート及びミドルスティントを担当する小高に期待が高まることとなる。

 気温34度、路面温度50度以上という夏の富士らしい猛暑の中、いよいよ決勝がスタート。燃料フル搭載という一番クルマが重たい状況にも関わらず、小高選手は巧みなレース運びで順位を徐々に上げていく。ここで目安となったのが、同じブリヂストンタイヤを履き、タイヤ1回交換作戦を採用したポイントランキングでトップに立つ2号車と、同じくタイヤ無交換作戦を敢行した52号車だ。それぞれ予選ではQ1を突破することができず後方からのスタートとなったが、決勝になるとブリヂストンタイヤの長所を存分に引き出し順位を上げる。特に同じ戦略を採る52号車には負けられない戦いとなった。

 タイヤ交換を前提にソフトタイヤで猛プッシュをする上位勢とは毎週0.5秒程遅れを取る展開に。小高選手は30周を超えるロングスティントを担当したが、最終的にピットストップまでに約20秒後方を走行。タイヤ交換勢はソフトタイヤでのスティント後半でタイムが急激に落ちることが予想されていたが、特に上位陣は想定以上の好タイムを維持して走行を続けることに成功していたのだった。ピットストップを終えた頃には9番手まで取り戻すことに成功したが、交代した中村選手のすぐ後方にタイヤ交換を終えたばかりのライバル達がつける展開に。LC500h GT持ち前のトップスピードを活かし懸命にバトルを続ける中村選手だったが、やはり新品タイヤのペースには勝てず、順位を落としてしまう。

 2号車、52号車共に順位を明け渡してしまった中村だが、レース終盤、同じタイヤ、無交換作戦を敢行した52号車が急激にペースダウン。350kmレースの後半までタイヤを保たせることができず、後退することになる。これにより順位を取り戻した中村は12番手を走行。今大会は各コーナーで接触やトラブルが発生するなど、激しいレースとなり、中村選手もこの洗礼を受ける形となった。それでも着実に周回を重ね、無事40周のロングスティントを完了。12位でレースを終えた。

■根本コメント:

「今大会は350kmレースということでギリギリタイヤ無交換戦略を採択できることとなり、レギュラードライバーの小高選手と中村選手で戦うことが事前に分かっていたため、レースウィークを通して二人のドライバーそしてチームのバックアップに力を入れ活動しました」

「レースに慣れている我々でさえ熱中症が頻発するほどの猛暑の中でも無交換戦略を採ることができるブリヂストンタイヤさんの高い信頼性が、12番手という順位に繋がったと思います。正直我々が65号車と同じソフトタイヤでプッシュをする戦略を取ったとしても、ライバル勢のタイヤデグラデーションの少なさを見ると、表彰台は厳しかったのではないかなと思います」

「今シーズンのスーパーGTは本当にレベルが高く、毎戦ギリギリの戦いを過ごす中で、今週末は僕らの持てるペースを全て引き出してもこの順位が精いっぱいだったと思います。次の鈴鹿は昨年もいい順位で終えていますから、今シーズン初、そして中村選手としても初の表彰台獲得に向け全力で取り組んでいきます。引き続き応援を宜しくお願い致します」

▼来場者数公式発表
大会総入場者数 55,200人

◆REPORT PDF
Borderless:準備中
SuperGT:https://supergt.net/news/single/23540

◆Photo Gallery
https://www.yukinemoto.com/gallery/2024-sgt-rd4/
All shots by @kakophotography

本件に関するお問い合わせはinfo@borderless-motorsports.comまで

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