Yuki Nemoto
Fanatec GTWorldChAsia pwrd by AWS
Rd2 Race Report
■Introduction
5/10(金)〜5/12(日)、根本が今年フル参戦するファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワードバイAWSの第2戦が、タイ東北部ブリラム県のチャン・インターナショナル・サーキットにて開催された。
開幕戦が開催されたセパンに引き続き、高温多湿な環境となるブリーラム。レースウィーク直前の週も40度を記録するなど、引き続き厳しいコンディションになることが予想された。Ami総監督、Nijiko監督も現地入りし、563号車の戦いを率いた。
■Qualify:Q1-9th Q2-P5
GTワールドチャレンジ・アジア選手権では第1予選(Q1)を各車両のブロンズ(アマチュア)ドライバーが担当。Q1のリザルトがレース1のスターティンググリッドとなる。Q1後すぐにプロドライバーが担当するQ2が実施され、こちらのリザルトがレース2のスターティンググリッドとなるレギュレーションとなっており、それぞれ担当したドライバーが各レースのスタートを担当する。
先日行われた開幕戦では、ペースを上げていった矢先にブレーキラインのトラブルが発覚。十分なアタックが行えなかったと共に、Q2への出走は叶わず、悔いの残る予選となってしまった。今大会では大きなトラブル無く順調に練習走行にて周回を重ねた水谷。自身にとって初のブリーラム走行だったが、練習走行後半では1分38秒台をマーク。木曜日から順調に走りこむことができた結果、予選に向けサーキット攻略を完了した。
迎えた予選、新品タイヤを投入し上位進出を図る。今大会では例年以上に走路外走行に対するトラックリミット違反が厳しく取られており、ベストラップ削除のペナルティを受けるドライバーが続出する中、ミスなく周回をこなす水谷。自身初の37秒0を記録。いよいよ36秒台へ突入かと思われたが、後半はタイムアップとならず。それでも自身のベストラップを大きく更新するタイムで、クラス9番手を獲得した。
根本が担当したQ2では、より安定感を求めたセットアップを施した車両でアグレッシブな走行をみせる。根本がアタックを敢行した段階ではセクター1、セクター2にて全体ベストラップを記録するも、最終セクターでの強いアンダーステアに苦戦。最終的に1分34秒421を記録し、クラス5番手を獲得した。
■Race1:7th
現地時間午後3時、1時間で行われるレース1がスタートした。予選で素晴らしい走りを見せペースを掴んだ水谷がスタートを担当。開幕戦セパンでは後方からのスタートだったが、今大会では中団からのスタートとなり、GTワールドチャレンジの激しいオープニングラップの戦いを初めて経験することとなった。水谷はこれを接触なくクリアすると、他車のリタイヤにより徐々に順位を上げていく。前方を走る52号車とともに1分39秒台にて安定した周回を重ねると、17周目にピットインを敢行。30分のハーフスティントをトラブルなく走り切ってみせた。
ピットイン前後で順位を2つ落とした563号車だったが、ここから根本がフルプッシュで前をいく44号車を捕らえにかかる。この時点でその差は30秒。この時点で残り16周となっており、順位を上げることは難しいかと思われたが、44号車がタイヤの摩耗と熱ダレに苦しむ一方、根本は安定して1分35秒台を刻みその差を詰めていく。迎えた34周目、ついにPorsche 911 GT3Rのテールを捉えると、6コーナーのアウトサイドからオーバーテイク。これにより順位を一つ上げることに成功し、クラス7位でレース1を終えた。
■Race2:9th
翌日曜日、現地時間午前10時45分、気温35度、路面温度55度というマレーシアに続く灼熱にさらされるなか、レース2決勝がスタート。563号車 ANR with VSRは全33台のうち中腹からのスタートとなり、一番接触の危険性が高いエリアで全37周のレースを始めることとなった。根本は水谷へ無事にバトンを繋ぐことを最優先とし、大きな接触を避けながらコーナーをクリアしていく。オープニングラップの9コーナー、前方で6号車を含む大きな接触事故が発生、77号車が進行方向逆向きでコースのど真ん中で車両をとめるなど大混乱となったが、根本はこれを辛うじて避けることに成功。接触を避けるため順位を下げることとなったが、大きなトラブルなくオープニングラップを終えた。
根本は失った順位を取り戻しにプッシュするところだったが、前を行く60号車のペースに蓋をされ思うようなレースができない状況に陥ってしまう。数度オーバーテイクを試みるも、上がり続ける路面温度に比例してオーバーヒートを続けるフロントタイヤに悩み、クルマの持つポテンシャルを発揮できない状況となってしまった。
18周目にピットインを敢行し水谷へドライバー交代をすると、水谷はレース1での経験を活かし安定した走行をみせる。新品タイヤのグリップを引き出し1分39秒台で周回を重ねると、燃料が軽くなる終盤には1分38秒259というレースでの自身ベストラップを記録。開幕戦セパンから更に大きな成長を遂げ、一つの目標であった総合1位と同一周回でのゴールを達成した。
■根本コメント:
「開幕戦セパンでは木曜日の有料テスト走行で燃料のトラブル、予選では残念ながらブレーキラインのトラブルが出てしまいスムーズな週末とは言えませんでしたが、今大会では週末を通して大きな問題なく周回数を重ね、水谷さんの走行マイレージを稼ぐことができたことが何よりのリザルトだったと感じています。特に予選でのあわや36秒台というあの一周は、これからの我々の大きな目標に向けた可能性を示した力強いラップでした」
「自身の週末の流れとしては、セットアップや週末のランプランをプロドライバーとしてエンジニアと決めていくという一番の仕事をしっかりこなすことができた思います。予選でのスーパーラップやレース中の安定感のある走りをサポートすることができたことは改めて自身に繋がりました。一方でそういったセットアップを施した車両での自身の予選でのパフォーマンスはもっと高められるはずだと思います。特に新品タイヤでのタイヤのウォームアップやピークグリップの引き出し方など、アジア地域でシルバーアマクラスを戦うことの難しさを感じた週末でした」
「いよいよ次戦からは日本に戦いの場を移し、水谷さんもこれまで何百周も走りこんできたサーキットでのレースとなります。我々ANRとしてはこの日本ラウンドでしっかりと結果を残し、最終戦上海へ向け弾みをつけていきたいと思いますので、引き続き563号車の応援を宜しくお願いいたします」
◆REPORT PDF
Borderless:coming soon
VSR:https://www.vs-racing.com/control/upload/120524_054857_3208_VSR%20Race%20Report%20GTWCA%20Buriram.pdf
◆Photo Gallery
https://www.yukinemoto.com/gallery/2024-gtwca-rd2/
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