Yuki Nemoto
AUTOBACS SUPER GT
Rd2 Fuji Race Report
■Introduction
5/3(金)~5/4(土)に根本が今年参戦するAUTOBACS SUPER GTの第2戦となるFUJI GT 3Hours RACEが、晴天に恵まれた富士スピードウェイにて開催された。
開幕戦岡山では速度抑制案として追加された重量に悩まされ本来のペースを発揮できない中、5位を獲得。今大会も同様のコンディションでのレースとなり、厳しい戦いが予想される中、ミスのない堅実な戦いで少しでも多くのポイントを持ち帰ることを目標に、今シーズン初となる3時間レースを戦った。長丁場ということもあり、レギュラードライバーの小高一斗/中村仁に加え、根本が第3ドライバーとして合流した。
■Qualify:13th
現地時間3日14時43分、気温23度、路面温度38度というこの時期としては比較的高い路面温度を記録する中、予選が実施された。31号車はQ1 A組となり、Q2上位組への進出を目指して小高が挑んだ。今シーズン、スーパーGTではQ1及びQ2の合算タイムにより決勝グリッドが決定される方式が採用されている。
31号車 apr LC500h GTは前戦での5位獲得によるサクセスウェイトや、速度抑制案によるウェイトを課せられており、3月に行われた公式テストからなんと50kg近く追加重量を抱えながらのレースとなっている。当然これはコーナリングやブレーキングのパフォーマンスに直結するわけだが、特にタイヤのコンパウンドとの相性に苦戦を強いられることとなる。今大会ではQ2での上位組進出を目指し、Q1でエースの小高選手がアタックに向かうが、ブリヂストンタイヤの本来のパフォーマンスを引き出すことができず、苦戦を強いられることとなる。必死のアタックを敢行するも、1分36秒796が精いっぱい。0.12秒差で惜しくもQ2上位組への進出を逃すこととなった。
小高からクルマを受け取った中村は、Q1から引き継いだ中古タイヤにも関わらず、小高のタイムを上回る1分36秒517を記録。周回を重ねる中で燃料を消費することによる重量減が、功を奏したタイムアップとなったようだ。裏を返せば、それだけ車重が今大会を語るうえで重要な要素であるといえるだろう。
■Race:5th
今シーズン初の3時間レースとなった今大会。これまでの350kmと異なるフォーマットのため、どのような戦略で挑むのか注目された。31号車はブリヂストンタイヤのロングライフ性能を活かし、給油は2回、タイヤは後半のピットインでの1回のみ交換という戦略を採用。今シーズンは予選から決勝のスタートまで同じタイヤを使わなければならないため、いかにタイヤの摩耗を管理し長持ちさせるかが重要となる。スタート及びミドルスティントを担当する小高に期待が高まることとなる。
気温23度、路面温度41度という予選とほぼ変わらぬコンディション、そして5万人を超える大観衆が見守る中、いよいよ決勝がスタート。燃料フル搭載という一番クルマが重たい状況にも関わらず、小高選手は巧みなレース運びで順位を徐々に上げていく。
17周目、最初のスプラッシュ(タイヤ交換を行わず、燃料のみ給油するピットストップ)のためピットイン。ショート-ロング-ロングという戦略を取り、引き続き小高選手が45周に及ぶロングスティントへと向かった。同様の戦略を取るチームは少なく、見かけ上の順位と、戦略違いによる実際の順位が見えづらい展開に。小高は重たいクルマでタイヤを傷めないよう、タイヤマネジメントに注力しつつも、見えない敵を少しでも追い越すべく、懸命なプッシュを続ける。
GT300車両のペースでは100周を超えるレースとなることが予想される今大会。約1/3となる30周目を過ぎたあたりから上位陣含め続々とピットイン。ここで多くの車両がタイヤを4輪交換する戦略を取ったが、3番手を走る2号車と52号車はファーストスティント最後までピットを引っ張る作戦に出る。52号車は43周目、2号車は最後となった45周目にピットイン。両者ともにタイヤ交換をおこなったが、2号車はピット作業でタイムロスが発生。一時的に順位をおとすこととなる。
トップを走る88号車や上位を走る52号車、2号車とは異なる戦略を取っている31号車は一時的に2番手まで順位を上げる。レース残り1時間15分となった頃、2回目のピットへ。タイヤ交換を含むフルサービスでドライバーを中村へと交代。チェッカーまでの最終スティントを託すこととなった。
31号車のピット後、52号車、2号車もピットイン。52号車はここでタイヤ無交換作戦を敢行し、一気に順位を2番手へと上げることに成功。全車がピットインを終えた時点で31号車は5番手となり、スタート順位から8ポジションアップに成功。しかしすぐ後ろにタイヤを2回交換し新品タイヤで追い上げを図る2号車に迫られると、タイヤのグリップレベルがカギとなる第3セクターで先行を許してしまう。しかし最高速の速さを活かし、ホームストレートで再度オーバーテイクに成功。翌周も同様の戦いを見せると、新品タイヤでの猛攻を防ぎぎった中村はここから常に2号車のプレッシャーを受けつつゴールを目指すこととなる。常に1秒以内に2号車を従えるという緊迫した状況の中、ミスなく堅実な走りを見せ逃げ切った中村が5位をもぎ取り、開幕戦に続き入賞、ポイント獲得を達成した。
■根本コメント:
「まずは開幕戦に引き続きの5位獲得により、チャンピオンシップにおいて非常に重要なポイントを持ち帰ることができとても嬉しく思います。今大会では戦略上、自分が決勝で乗ることはありませんでしたが、週末を通じて特に中村選手を中心としたチームのサポートに力を入れ、また同時に二人から自身も多くの学びを得る三日間となりました」
「前半でタイヤ無交換作戦を敢行するというのは、レース中盤にFCYや赤旗が出た時のリスクを考え採用した戦略で、堅実なレース運びで良いリザルトを獲得するという本来の目的をしっかり完遂することができました。同じタイヤ1回交換とはいえミドルスティントをショートにした52号車と同じ戦略を取っていれば、表彰台争いができていた可能性もあります。しかし重量が重くタイヤ本来の性能を引き出せていない現状では、堅実なレース運びで8ポジションアップの5位を獲得することができたという今大会の流れは、とても良かったのではないかなと思います」
「昨年と比較しても、ここまで大きなミスなく良い流れでシーズンを過ごすことができています。このまま良いムードで第3戦鈴鹿入りし、更に上位へ、ゆくゆくは表彰台そして優勝を狙えるよう、更にチーム力とクルマのパフォーマンス向上に向け力を入れてまいります」
▼来場者数公式発表
5月3日(水)34,500人(晴れ)
5月4日(木)53,900人(晴れ)
大会総入場者数 88,400人
◆REPORT PDF
Borderless:準備中
SuperGT:https://supergt.net/news/single/23359
◆Photo Gallery
https://www.yukinemoto.com/gallery/2024-sgt-rd2/
All shots by @kakophotography
本件に関するお問い合わせはinfo@borderless-motorsports.comまで
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